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精霊流しのすべて |
船の装飾が終わると、船の家部分の一番前の高い位置に亡くなった人の遺影を飾ります。これで船が誰の船なのかが分かるようになります。また、お仏壇に供えていた野菜・果物・菓子・ご飯などの供物を藁で包み、船に乗せます。初盆でないお家や船を出さないお家も、同じように供物を包み、自分で港(大波止)に持っていくか、町内で出す船に一緒に乗せてもらいます。
船のかつぎ手には親族や友人など、体力のある人を頼みます。揃いの家名入りのハッピなどを着込み、腹掛け、足袋、鉢巻きなどで気合を入れます。あと、忘れてはならないものが“みみせん”。爆竹の爆音がすさまじいからです。お盆時期の長崎のみみせん売上高は、おそらくみみせんメーカーの年売上高の相当部分を占めているのではないかと思われます。
夕方、頃合いを見計らって出発です。終点の港(大波止)をめざして辻々から船が合流して来ますので、なかなかスムーズに進むのは難しいのです。
飾り付け完了。かつぎ手も集合精霊船の隊列の構成は次のようになっています。
(1)家名入り提灯を持って先導する人
(2)印灯篭
(3)双盤(鉦)
(4)精霊船
(5)つきそいの人々
これだけの人数が何時間もかけて移動します。真夏のことですし、喉もかわきますので、飲みもの等も船に積み込むか、カートなどに載せていっしょに移動したりします。他に必要なものといえば「花火」です。移動しながら花火をします。メインの爆竹はダンボール単位で購入しておきます。こういったものも船に積み込みます。
出発すなわち御霊とのお別れ。ちょっと寂しい上の写真の手前に写っているのがは印灯篭です。四角いものが多いですが、故人が好きだったものにちなんで、果物や花の形をしたものなども見られます。四角いものでも、片面に美人画やお酒などの嗜好品の絵が入る例も多いようです。スタンダードな例では家紋・家名などが入ります。中に火が入り、暗くなってからでもよく見えるようになっています。
御用だ御用だ!(うそ)上の写真の手前にいるのが(1)の先導する人です。御用提灯のような形の提灯を使用しています。写真には写っていませんが、(3)の双盤は鉦(かね)です。見かけは銅鑼(ドラ)に似ています。小さいものでしたらひとりで片手に持って、もう一方の手で鳴らしますが、たいていは大きくて重いので、棒に吊るしてふたりで棒の端をかつぎ、そのうちの後ろの人が鳴らします。双盤の音の鳴らし方によって船を先導します。進む時は一定の間隔で鳴らし、止まる時は細かく早く鳴らします。
合流してくる船で渋滞中。止まってる間が疲れる