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精霊流しのすべて |
現在では船の原形は大工さんなどに頼んで造っていただきます。形のできあがった船にそれぞれの家で飾り付けをします。現在では船を海にそのまま流すことはしませんので、かなりの大きさです。明治期には全長が5、60メートルにもなる巨大な船が登場したこともあったそうですが、今は大きさにも制限があります。しかし、一般的な大きさのものでもかなり重さになりますので、ほとんどの船にはタイヤがついており、転がしていけるようになっています。それでもけっこうな重労働なのですよ。
船を造るのにはもちろんお金もかかります。町内でお金を出し合い、数家族一緒に仲良く御霊を乗せて流す場合もありますし、故人の遺言で船は造ってくれるなという場合もあります。派手なことが苦手だった姫の祖母の時には、2人でかつぐくらいの大きさの船を造りました。
オーソドックスな飾り付けが済んだ船現在の船の構造の中でも、高い技術が必要とされるのは、先端部分の“みよし”です。ラッパ状に先が開いた筒状の飾りです。竹で骨組みをつくり、ゴザなどで蔽って形をつくります。表面は杉の葉などで蔽い、開いた先端部分(平面鏡)には赤色の紙を貼り、白抜き文字で家名や町名などを入れます。
みよしアップ。家名を入れました写真の船は母方の祖父のものです。祖父は園芸が得意で植物が大好きな人でしたし、洒落者でしたので、船の飾り付けは古風に、なるべく生花や天然の素材を使い、あまりにぎにぎしくならないよう気を配りました。こういったことも送る側の人間のこだわりでしかないのですが、いなくなってしまった人を思う気持ちがつい、こだわらせてしまうのでしょう。姫家はあくまでオーソドックスにこだわりましたが、亡くなった人の好きだったものにちなんだ船も多いです。ラスタカラーに塗られた船や、“猫バス”の形をした船を見たこともあります。新地(中華街)関係者の船には龍を模った船も見られます。表現は家それぞれです。
姫家の帆には仏画が描かれています