平成12年くんち

平成12年くんち・万才町


本踊り「祭礼祝長崎万歳(まつりをいわうながさきばんざい)」

 万才町が開かれたのは元亀二年(1571)。当時は六つの町からなっていました。町人はすべてサン・パウロ教会の信者であったそうです。六町は戦後統一されました。万才町の名前は明治五年に明治天皇がこの地に滞在されたことに由来します。

 傘鉾の飾(だし)は朱盃に鈴と御幣。輪はビロードに金糸で町名の刺繍が入り、垂(たれ)は淡い紅色に鶴が舞い飛び、美しいです。紺色の組み紐との色の合わせが素晴らしいです。
 万才町の本踊りは長唄「祭礼祝長崎万歳」を中心に長崎ではおなじみの童謡などをアレンジした曲で町の娘さん達が踊ります。今までまるきり日舞の経験のない方も稽古を重ねて出演されていたそうですが、なんとも日舞は難しい。積み重ねが大事なお稽古事ですので…。

 また万才町の特徴としては、演奏に和楽器に加えてキーボードが参加しているという点があげられます。キーボードは上手く使えば演出に広がりが出ると思います。胡弓や鼓の存在感に比べ、まだちょっと使い方が遠慮がちかな、という気がしました。
 町中ではよく庭先回り中の万才町さんにお会いしました。おそらくふたてぐらいに別れて回ってらしたのだと思います。遠くからもあざやかな縞の模様が目につき、すぐに分かりました。


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長崎雑記帳